インフレよこんにちは

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 アベノミクスに対する過剰な期待が冷めてしまったことや、中国経済の低迷、米国の債務上限問題などから、目先の株価は上値が重い状態が続いている。 だがマクロ経済の環境や、超長期的な株価チャートなどを総合的に判断すると、バブル崩壊以降20年にわたって続いてきた株価低迷のトレンドが、いよいよ転換した可能性が高くなってきた。 だが今後、長期的に株価が上昇するにしても、順調な経済成長を背景にした健全なものである保証はない。むしろインフレによる見かけ [...]

IMFの最新経済見通し。進む新興国から米国へのシフト

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 IMF(国際通貨基金)は10月8日、最新の世界経済見通しを発表した。前回7月の予測ではプラス3.1%としていた2013年の世界経済成長見通しをプラス2.9%に下方修正した。 先進国の成長率は横ばいでプラス1.2%のままだが、新興国の成長率は0.5ポイント引き下げ、プラス5.0%とした。新興国の成長が鈍化したことで、全体の成長率見通しが低下した。 新興国の成長鈍化の背景にあるのは、米国の景気回復とそれにともなう資金の流出である。FRB( [...]

財政への楽観論が米国議会の茶番劇を加速

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 ねじれ状態から対立が続く米議会は、予算案に関して合意に達することができず10月1日から一部政府機関の閉鎖に追い込まれた。近いうちに何らかの合意が得られる可能性が高いが、問題はそれだけではない。10月17日には連邦政府の債務が再び上限に達してしまう。この件についても与野党合意の上、議会承認が得られなければ、米国債がデフォルトしてしまう。 米国の議会は米国経済や金融市場はそっちのけで政治的駆け引きに終始しているわけだが、その背景には、米国 [...]

緩和継続がもたらすもの

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  量的緩和策を当面継続するという9月18日のFOMC(連邦公開市場委員会)声明は、市場に大きな衝撃をもたらした。 9月の緩和縮小開始に関してほぼ完全な市場コンセンサスが得られていただけに、声明の発表直後は大混乱となった。株価は一時急騰したものの、その後は方向感がつかめないまま下落し、金利は継続的に下落するなど、ちぐはぐな状況が続いている。  緩和縮小の見送りを受けて市場では米国経済に対する悲観的な見方が広がっている。10月には連邦政府 [...]

総工費9兆円。リニア建設狂想曲の結末は?

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 JR東海は9月18日、2027年に開業予定のリニア中央新幹線について、詳細な走行ルートと中間駅の所在地を明らかにした。車両込みの総工費は9兆円という超大型プロジェクトとなっており、10兆円を超す経済効果が期待されるとの声も聞かれる。 2020年の東京オリンピック開催決定直後ということもあり、リニア計画の詳細発表に対してはちょっとしたお祭り騒ぎになっている。だがプロジェクトのリスクをすべて背負うJR東海にとって、リニア計画の実施は企業体 [...]

2014年度概算要求は100兆円超。中身は消費増税後の景気対策

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 2014年度予算の概算要求が8月31日まとまった。一般会計は昨年度を6兆6000億円上回る99兆2500億円となり、東日本大震災の復興費用を加えると100兆円を突破する大型要求となった。 今回の概算要求は、年金・医療などの支出が1兆円増加したのに加えて「新しい日本のための優先課題推進枠」と名付けられた事実上の景気対策費用3.5兆円が上乗せされた。また国債の利払い・償還費用も3兆円増加しており、支出増大が目立つ。 財務省では9月から予算 [...]

シリア問題で見えてきた新しい世界秩序

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 オバマ米大統領は8月31日、ホワイトハウスで声明を発表し、シリアに対して軍事介入を実施する方針を明らかにした。だが軍事介入には「議会の承認」を求めるとし、実質的に米議会が審議を再開する9月9日以降まで最終決断を先送りした。 軍事介入を実施するのかは議会の結論次第だが、状況によっては介入の中止、あるいは極めて限定的な範囲での介入にとどまる可能性も高くなってきた。 オバマ政権が中東問題に消極的になっている背景には、米国で進むシェールガス革 [...]

規制緩和論争の不毛

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 自民、公明、民主の3党は、タクシーの台数制限を義務付ける「タクシーサービス向上法案」について合意に達し、秋の臨時国会に法案を提出する。これによって小泉構造改革の目玉の一つといわれてきたタクシーの規制緩和が根本的に見直されることになる。 タクシーは自由化によって台数が一時10%近く増加した。これが競争の激化を生み運転手の待遇を著しく低下させたといわれている。しかし、タクシーは他の業界と異なり、道路という税金で作られた公共物を利用するとい [...]

変わる日本の国際収支

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 日本の国際収支の状況が大きく変化している。日本経済は製造業が海外に製品を輸出して貿易黒字を蓄積するという典型的な輸出主導型であった。だが日本企業の国際競争力は低下しつつあり、日本はこれまでに蓄積した黒字を海外に再投資し、その投資収益で黒字を確保する構造に変わりつつある。 国際収支はその国の成熟度に合わせて状況が変化していくという「国際収支発展段階説」と呼ばれるものがある。日本はこれまでのところ、この発展段階説に沿って忠実に進化してきて [...]

中国バブルの崩壊時期と不良債権額を予測する

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 中国経済のバブル崩壊懸念がくすぶり続けている。特に問題となっているのはシャドーバンキングと呼ばれる通常の銀行以外の融資である。その中の一部は不良債権化しているといわれており、中国経済の時限爆弾となっている。  だが中国政府は、場合によってはハードランディングも辞さない構えなのか、このような状況にあっても景気対策をほとんど打ち出していない。政府当局の真意は不明だが、中国にとっては日本のバブル崩壊と米国のリーマンショックという二つの前例が [...]