2014年度予算案は、バラマキに見えて実は財政再建を重視

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 政府は2013年12月24日、2014年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は95兆8823億円と過去最大規模となった。 予算総額が膨張した最大の理由は、社会保障費と公共事業費の増加である。表面的には消費増税による景気落ち込みを下支えするため、大判振る舞いした形になっている。 だが予算案の内容をよく吟味してみると、状況はもう少し複雑だ。確かに過去最大規模の予算額となってはいるが、実質的な公共事業はあまり伸びておらず、新規国債発行額も [...]

電力消費と経済成長

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 原子力発電所の再稼働に向けた動きが加速している。経済産業省は2013年12月6日、総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会を開き「エネルギー基本計画」の素案を提示した。 再稼働について議論となっている原子力発電については「重要なベース電源」と位置付け、今後、再稼働を進めていくことを明記した。この基本計画が了承されれば、原発ゼロ政策は完全に見直されることになる。 安定した電力供給は産業の基礎であり、バランスの取れたエネルギー政策を立案す [...]

公的年金の真実

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 日本の年金をめぐる状況がいよいよ厳しさを増してきている。政府の「社会保障制度改革国民会議」は2013年8月、今後の社会保障制度改革の基礎となる報告書を政府に提出した(写真)。 報告書では高齢者に手厚いとされる現在の社会保障制度を全世代型に改めるとしているが、実際には制度の現状維持を強調しており、いわゆる世代間不公平の解消とはほど遠い内容になっている。 また11月には、公的年金の運用改革を議論する政府の有識者会議が、国債を中心とした従来 [...]

世界経済に成長鈍化の兆し

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 世界経済が成長鈍化の傾向を見せ始めている。OECD(経済協力開発機構)は2013年11月19日、最新の世界経済見通しを発表したが、2013年における全世界のGDP成長率はプラス2.7%と前回から0.4ポイントの下方修正となった。IMFが10月に出した成長予測でも2013年の成長はプラス2.9%に下方修正されている。 成長が鈍化した最大の要因は、新興国の失速と欧州のデフレ懸念である。 新興国はプラス5.1%と前年を0.4ポイント下回る予 [...]

貿易赤字の正体

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 日本は震災をきっかけに恒常的な貿易赤字体質になった。一方、日本には、これまでに蓄積した膨大な外貨の運用で得られる金利・配当収入(所得収支)がある。このため日本は貿易赤字であるにもかかわらず、経常収支は黒字を維持している。 だが円安の進展以降、輸入額の増加が続く一方で、輸出の伸び悩みが目立つ。これによって貿易赤字は徐々に拡大してきており、このペースで赤字が増え続ければ、早ければ来年中にも経常収支が赤字に転落する可能性が出てくる。 輸入の [...]

製造業復活の真実。9月中間決算の中身を検証する

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 上場企業における2013年9月の中間決算は、製造業を中心に好業績が相次いでいる。これまで日本の製造業は円高に苦しんできたことから、円安によっていよいよ製造業が息を吹き返してきたという楽観的な見方も出てきている。 だが各社の決算内容をより詳しく見てみると、円高が是正されたからといって、製造業が抱える諸問題が解決されたわけではないことが分かる。円安によってメリットを享受できるのは、競争力が高い企業だけであり、そうでない企業にとって、円安は [...]

日本はドイツに学べるか?

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 長期の円高とデフレに苦しんだ日本経済は、円安によって息を吹き返すことが期待されていた。しかし、いざ円安になってみると、期待していたほどの成果は上がらず、製造業の設備投資もあまり拡大していない。 一方、欧州最大の工業国であるドイツは、欧州全体が低迷しているにもかかわらず好調な経済が続いている。ドイツは日本と同様、製造業による輸出を経済の基軸とする国であることから、ドイツの経済政策を参考にすべきという意見は多い。 確かに日本とドイツは工業 [...]

アベノミクスの10カ月を検証する(その3 成長戦略)

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 安倍政権のスタートから10カ月が、日銀による異次元の量的緩和の開始から半年が過ぎようとしている。安倍政権に対する国民や市場の期待度は高く、首相就任前後から株価は大きく上昇した。だが今年6月以降、株価は伸び悩んでおり、市場は安倍政権の今後に対して微妙な評価を下している。 安倍首相は日本経済の復活を内外に強くアピールしており、政権の性質には多分に情緒的な側面が見られる。そのためか、アベノミクスの評価をめぐっては、やや感情的な議論も見受けら [...]

アベノミクスの10カ月を検証する(その2 財政政策)

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 安倍政権がスタートしてから10カ月が経過した。安倍政権に対する国民や市場からの期待度は高く、首相就任前後から株価は大きく上昇した。だが今年6月以降、株価は上値が重い状態が続いており、市場は安倍政権の今後に対して微妙な評価を下し始めている。 首相は日本経済の劇的な復活というストーリーを内外に強くアピールしており、政権には多分に情緒的な側面がある。そのためか、アベノミクスの評価をめぐっては、感情的な議論も見受けられる。アベノミクスは初期段 [...]

アベノミクスの10カ月を検証する(その1 金融政策)

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 安倍政権がスタートしてから10カ月が経過した。安倍政権に対する国民や市場からの期待度は高く、首相就任前後から株価は大きく上昇した。だが今年6月以降、株価は上値が重い状態が続いており、市場は安倍政権の今後に対して微妙な評価を下し始めている。 首相は日本経済の劇的な復活というストーリーを内外に強くアピールしており、政権には多分に情緒的な側面がある。そのためか、アベノミクスの評価をめぐっては、感情的な議論も見受けられる。アベノミクスは初期段 [...]