ビットコインから通貨の本質を考える

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 インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」が大きな話題となっている。2014年2月、日本にある主要な取引所「マウントゴックス」がハッカー攻撃され、利用者から預かっていたビットコインをほぼすべて失うという事件が発生した。 ビットコインはどこの政府の規制も受けていないことから、得体の知れないモノというイメージが出来上がっており、国内では批判的な論調が目立っている。 だがビットコインは非常に良く設計された「通貨」であり、今回の事件がどのよう [...]

電力自由化の本質

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 ソフトバンクが本格的に電力事業に参入することが明らかとなった。電力の小売りが完全自由化される2016年をメドに、家庭用電力の小売事業に参入する。同社はすでに7カ所の太陽光発電力を稼働させており、2014年2月17日には、同社グループでは最大規模となる兵庫県の太陽光発電所の稼働を開始した。 日本の電力は1995年から一部自由化が始まっているが、基本的に地域独占の構造は変わっていない。現在は完全に規制下にある家庭用電力が自由化されれば、利 [...]

貿易赤字の是非

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 財務省が発表した1月の貿易赤字は、過去最大の2兆7900億円という巨額なものであった。本誌では貿易赤字の拡大が予想以上に進んでいることから、早ければ2014年中には慢性的な経常赤字に転落する可能性を指摘してきた。今回、前月比で2倍以上という赤字幅になったことを考えると、経常赤字転落はさらに確実な情勢になってきたといえるだろう。 貿易収支あるいは経常収支がどのような状態であるべきなのかについては、多少イデオロギー論争的なところがあり、あ [...]

収益を模索するネット・メディア

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 インターネットの世界では、スマホやタブレットの普及によって、利用者の裾野が拡大しWebサイトの閲覧数は増加している。一方でネット・メディアの主な収益源である広告の単価は減少の一途を辿っている(本誌記事「ネット経済の行方」参照)。 新聞や雑誌といった紙媒体は衰退の一途を辿っており、ネットへの置き換えは今後さらに加速する可能性が高い。だが広告単価が下落するネットの世界では、コンテンツのコストを限りなく低くしなければビジネスとして成立させる [...]

ネット経済の行方

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 短文投稿サイト「ツイッター」の業績をめぐり、米国の株式市場でちょっとしたショックがあった。 同社の成長性を示す指標の一つである、タイムライン閲覧数が、前期比でマイナスとなり、2014年2月6日の株式市場において同社株が25%近くも下落したのだ。またSNS大手であるフェイスブックに関して、利用者数急減を予測する学術論文が出るなど、ソーシャル系メディアの成長性に疑問符が付き始めている。 一方、先月末に発表されたインターネット検索大手グーグ [...]

日本の財政をシミュレーションしてみると

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 内閣府は2014年1月20日、経済財政に関する中長期の試算を公表した。国際公約にもなっている2015年の基礎的財政収支赤字半減という目標は達成の道筋が見えてきた。だが2020年に黒字化というもうひとつの目標は今のところ達成が難しい状況だ。 政府が一般的な財政収支ではなく、基礎的財政収支を重視するのには理由がある。利払いも含めた一般的な財政収支で議論してしまうと、政府債務が過大な日本の場合、財政黒字化の道筋を示すことが極めて困難なのであ [...]

人口減少と日本の生産性

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 日本の人口減少が顕著になってきている。厚生労働省が発表した最新の人口動態統計によると、2013年における人口の自然減は24万4000人と過去最高を記録した。 日本の人口減少はこれまで年数万人レベルだったが、2010年から減少数が急増、今後も減少数が増える見込みだ。毎年、地方都市がひとつずつ消滅していくようなものである。 GDPを構成する2大要素は人口と資本である。人口の減少が見込まれる中、経済成長を維持していくためには、投資の継続と生 [...]

海外M&Aがもたらすもの

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 ソフトバンクによる米スプリント社の買収やサントリーによる米ビーム社の買収など、1兆円を超える海外大型M&Aが相次いでいる。 日本市場は今後、人口の減少によって縮小が続く可能性が高い。日本の経済システムは制度疲労を起こしているが、大きな改革は期待できない状況にある。海外企業を買収することは、日本企業が成長を維持するため唯一の手段となりつつある。 海外企業の積極的なM&Aは、個別企業だけでなく、日本経済全体にとっても大きな [...]

楽観論が支配する米国株式市場の落とし穴

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 好調な米国経済を背景に、投資家の間で米国株への期待が高まっている。米FRB(連邦準備制度理事会)は2013年12月、とうとう量的緩和策の縮小を発表し、リーマンショック以来続いてきた非常事態からの脱却を宣言した。金利も順調に上昇しており、市場では早くもダウ2万ドルという強気の発言が聞かれるようになってきた。 中長期的にも米国のファンダメンタルは良好だ。米国は今後も継続的に人口増加が見込める数少ない先進国である。またシェールガス革命によっ [...]

変質する日米同盟。米中交渉と日本市場のローカル化

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 安倍首相の靖国神社参拝に対して、米国政府が「失望している」という異例の声明を発表した。米国が貿易摩擦問題以外で日本の内政について公式声明を出すというのはこれまでになかったことである。米軍普天間基地の辺野古移設が正式に決まり、日米間の大きな懸案事項が片付いたと思われたタイミングだっただけにそのインパクトは大きい。 米国は中国を交渉相手と見なす新しいアジア戦略にシフトしており、日米同盟を基軸とした従来の安全保障政策からの脱却を図っている。 [...]