金融工学の嘘とホント(第2回)

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(前回から続く) 不確実性の理論を使っても利益が上げられるわけではない それでは、ベキ分布に代表される「不確実性の理論」はどのような位置づけになるのだろうか? ベキ分布の理論では、株価がランダムに動くことが前提となっている。その意味で伝統的な金融工学の延長線上にあるといってよい。 しかし、伝統的な金融工学では、株価はランダムに動き、かつその確率的分布は正規分布に従うということになっているが、ベキ分布の理論では、株価はランダムに動くものの [...]

金融工学の嘘とホント(第1回)

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 リーマンショックをきっかけに、効率的市場仮説やランダムウォーク理論といった、これまで主流だった金融工学に対する疑問の声が出てきている。従来の金融工学に代わる新しい考え方としてにわかに注目を集めているのが「不確実性の理論」だ。これはベキ分布などを用いて、これまで説明ができなかった市場の急変などを理論付けようというものである。 これらの新しい理論は本当に有効なのか?さらに言えば投資家はこの理論を使って市場の動向を予測することができるのか検 [...]

所得格差と株価の不都合な真実

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 所得水準はその国の経済を表すモノサシである。所得水準がどのように変化しているのかを分析することができれば、長期投資において有益な情報となる。 しかし、所得に関する情報は、自分の生活に直結する話であることから、情報の受け手が感情的になりやすい。このためマスメディアでは真実が報道されないことが多い。所得水準、特に相対的な所得分布の変化(分かりやすく言うと貧富の差)を分析すると、株式市場との明確な関連性が見えてくる。結論から先に言えば、貧富 [...]

日清・日露戦争当時の株価を検証する(後編)

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あまり知られていないが、日露戦争はグローバルな金融システムと非常に深い関わりを持った戦争であった。日本をめぐる地政学的状況は悪化してきており、今後日本が戦争に巻き込まれるリスクは増大している。社会構造の変化やグローバル市場の拡大、アジアの地政学的変化など、当時と今の状況は非常によく似ている。国際金融市場をうまく活用して戦争遂行に成功した日清・日露戦争の経緯は非常に示唆に富むものである。本誌が独自に収集した明治、大正時代の株価データなどを [...]

日清・日露戦争当時の株価を検証する(前編)

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あまり知られていないが、日露戦争はグローバルな金融システムと非常に深い関わりを持った戦争であった。日本をめぐる地政学的状況は悪化してきており、今後日本が戦争に巻き込まれるリスクは増大している。社会構造の変化やグローバル市場の拡大、アジアの地政学的変化など、当時と今の状況は非常によく似ている。国際金融市場をうまく活用して戦争遂行に成功した日清・日露戦争の経緯は非常に示唆に富むものである。本誌が独自に収集した明治、大正時代の株価データなどを [...]

戦争と経済の真実-戦争にはどのくらいの経費がかかるのか?

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 中国の台頭や日米安保の弱体化にともなってアジア太平洋地域の地政学的状況は大きく変化しつつある。 日本は太平洋戦争以降、自らが当事者となる戦争を長く経験していないため、戦争が経済にどのような影響を与えるのか、基本的な情報を持ち合わせていない。このため、「経済に行き詰ると戦争によって打開するしかない」といった、かなり乱暴でアバウトな議論がまかり通っている状態だ。 日中韓の3国はすでに国境紛争ともいえる状態となっており、北朝鮮情勢なども考慮 [...]

イノベーションと株価の関係(第2回)

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(前回から続く) ネットバブルがもたらしたソニーの株価高騰 続いて、いわゆるネットバブル期のソニーの株価を検証してみたい。 ソニーは1980年代まではAV機器を得意とする総合電機メーカーであった。しかし、95年に出井伸之氏が社長に就任すると、インターネットとパソコンを軸に、ハードウェアとコンテンツを融合させる新しいビジネス・モデルを提唱して、大胆な業態転換を試みた。 株式市場ではネットバブルが到来する直前であり、ソニーはネット関連銘柄の [...]

イノベーションと株価の関係(第1回)

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 技術革新(イノベーション)はしばしば大規模な相場上昇の原動力となる。歴史的に見ても、継続的な株価上昇期には画期的なイノベーションが伴っていることが多い。これをうまく捉えることができれば、投資のパフォーマンスを向上させる絶好の機会となるはずだ。 イノベーションの普及過程については、経済学や経営学の分野である程度理論化されている。これらの理論は株式投資に活用することができるのか?株式市場の事例をもとに検証した。 イノベーション普及理論と株 [...]