OECDの最新経済見通し。消費増税の影響は軽微?

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 OECD(経済協力開発機構)は2014年5月6日、最新の世界経済見通しを発表した。日本における2014年の経済成長率はプラス1.2%と前回予測(2013年11月)から0.3ポイントの下方修正となった。ただ全世界的に経済成長見通しは下方修正されており、消費税の影響というよりも、世界経済全体の影響である可能性が高い。 2014年における世界全体の成長率見通しはプラス3.4%で、前回の3.6%から下方修正された。投資と貿易は増加の兆候が見ら [...]

ウクライナ問題。市場静観の理由

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 ロシアのプーチン大統領は2014年3月18日、ウクライナの一部であったクリミアをロシアに編入する条約に調印した。米国やEUは部分的な制裁措置の発動を決定しているが、欧米各国はクリミアの返還まではロシアに求めない方針とみられる。ロシアがこれ以上ウクライナに介入しないかどうかが、今後の妥協点となりつつある。 一連の出来事では、軍事力を背景にしたロシアの動きが目立つが、もう少し視野を広げれば、ロシアは基本的に防戦一方の立場であることが分かる [...]

ビットコインから通貨の本質を考える

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 インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」が大きな話題となっている。2014年2月、日本にある主要な取引所「マウントゴックス」がハッカー攻撃され、利用者から預かっていたビットコインをほぼすべて失うという事件が発生した。 ビットコインはどこの政府の規制も受けていないことから、得体の知れないモノというイメージが出来上がっており、国内では批判的な論調が目立っている。 だがビットコインは非常に良く設計された「通貨」であり、今回の事件がどのよう [...]

収益を模索するネット・メディア

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 インターネットの世界では、スマホやタブレットの普及によって、利用者の裾野が拡大しWebサイトの閲覧数は増加している。一方でネット・メディアの主な収益源である広告の単価は減少の一途を辿っている(本誌記事「ネット経済の行方」参照)。 新聞や雑誌といった紙媒体は衰退の一途を辿っており、ネットへの置き換えは今後さらに加速する可能性が高い。だが広告単価が下落するネットの世界では、コンテンツのコストを限りなく低くしなければビジネスとして成立させる [...]

変質する日米同盟。米中交渉と日本市場のローカル化

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 安倍首相の靖国神社参拝に対して、米国政府が「失望している」という異例の声明を発表した。米国が貿易摩擦問題以外で日本の内政について公式声明を出すというのはこれまでになかったことである。米軍普天間基地の辺野古移設が正式に決まり、日米間の大きな懸案事項が片付いたと思われたタイミングだっただけにそのインパクトは大きい。 米国は中国を交渉相手と見なす新しいアジア戦略にシフトしており、日米同盟を基軸とした従来の安全保障政策からの脱却を図っている。 [...]

2014年度予算案は、バラマキに見えて実は財政再建を重視

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 政府は2013年12月24日、2014年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は95兆8823億円と過去最大規模となった。 予算総額が膨張した最大の理由は、社会保障費と公共事業費の増加である。表面的には消費増税による景気落ち込みを下支えするため、大判振る舞いした形になっている。 だが予算案の内容をよく吟味してみると、状況はもう少し複雑だ。確かに過去最大規模の予算額となってはいるが、実質的な公共事業はあまり伸びておらず、新規国債発行額も [...]

IMFの最新経済見通し。進む新興国から米国へのシフト

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 IMF(国際通貨基金)は10月8日、最新の世界経済見通しを発表した。前回7月の予測ではプラス3.1%としていた2013年の世界経済成長見通しをプラス2.9%に下方修正した。 先進国の成長率は横ばいでプラス1.2%のままだが、新興国の成長率は0.5ポイント引き下げ、プラス5.0%とした。新興国の成長が鈍化したことで、全体の成長率見通しが低下した。 新興国の成長鈍化の背景にあるのは、米国の景気回復とそれにともなう資金の流出である。FRB( [...]

総工費9兆円。リニア建設狂想曲の結末は?

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 JR東海は9月18日、2027年に開業予定のリニア中央新幹線について、詳細な走行ルートと中間駅の所在地を明らかにした。車両込みの総工費は9兆円という超大型プロジェクトとなっており、10兆円を超す経済効果が期待されるとの声も聞かれる。 2020年の東京オリンピック開催決定直後ということもあり、リニア計画の詳細発表に対してはちょっとしたお祭り騒ぎになっている。だがプロジェクトのリスクをすべて背負うJR東海にとって、リニア計画の実施は企業体 [...]

2014年度概算要求は100兆円超。中身は消費増税後の景気対策

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 2014年度予算の概算要求が8月31日まとまった。一般会計は昨年度を6兆6000億円上回る99兆2500億円となり、東日本大震災の復興費用を加えると100兆円を突破する大型要求となった。 今回の概算要求は、年金・医療などの支出が1兆円増加したのに加えて「新しい日本のための優先課題推進枠」と名付けられた事実上の景気対策費用3.5兆円が上乗せされた。また国債の利払い・償還費用も3兆円増加しており、支出増大が目立つ。 財務省では9月から予算 [...]

賃金をめぐる不都合な真実

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 日銀の量的緩和策導入から3カ月が経過し、長く続いてきたデフレ傾向に転換の兆しが見え始めた。基本的には円安を背景にした輸入物価の上昇が全体を引っ張る構図だが、物価上昇の可能性が見えてきた事実は大きい。 市中では早くもインフレによって生活が苦しくなることを懸念する声が出始めている。政府はこうした声にかなり敏感になっており、今秋をメドに最低賃金を2%上昇させる意向を固めた。ただ、経営側が最低賃金の上昇に強く反対していることや、政府が賃上げを [...]