ダウ1万7000ドル突破の解釈

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 ダウ平均株価が2014年7月3日、とうとう1万7000ドルの大台を突破した。同日に発表された雇用統計の数字が極めて良好だったことから、市場では米国経済の完全復活はより確実なものになったと認識された。FRB(連邦準備制度理事会)はこうした状況を受け、2008年から続けてきた量的緩和策をとうとう終了させる。 米国経済は、リーマンショック対応という緊急事態モードを脱出し、長期的な拡大フェーズに入りつつある。しかし、このことが、すぐさま株価上 [...]

年金株式シフトのリスク

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 公的年金の運用環境が大きく変わろうとしている。これまで国債に偏っていたポートフォリオを見直し、日本株の比率を上昇させる。 だが、その背景には安倍政権の株価対策としての側面も見え隠れする。運用に失敗した場合のルールなども定められておらず、十分な議論が行われたとは言い難い。 また安倍政権は新しい成長戦略の中に、コーポレート・ガバナンスの強化を盛り込んだ。公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、機関投資家向け株主行動 [...]

ロボット時代の本当の姿

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 ソフトバンクが安価なロボットの製品化を発表したことで、いよいよ日本でもロボットのビジネスが本格的に立ち上がろうとしている。 ロボットの普及はインターネットを超えるインパクトをもたらすといわれているが、一方で、本当にそのような状況になるのか疑わしいという声も多い。 だがロボットの普及は、これまでの想像を超えるレベルで社会を変革することになる可能性が高い。ロボット社会がどこに向かおうとしているのかについては、ソフトバンクが掲げるビジネス・ [...]

露天然ガスの中国輸出で、ウクライナ問題に地政学的変化

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 ウクライナ情勢をめぐるロシアと欧州の地政学的な関係が微妙に変化している。きっかけとなったのは、ロシアと中国が締結した天然ガスの長期供給契約。これまでロシアは、欧州に対して天然ガスの供給を制限することをちらつかせて交渉を進めてきたが、欧州向け天然ガスはロシアにとって数少ない外貨獲得手段でもあった。 欧州向けのガス供給を制限すれば、今度はロシアが打撃を受けてしまうというジレンマを抱えていたが、中国という大口供給先を確保することに成功した。 [...]

パナソニック決算の見方

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 パナソニックとソニーが対照的な決算を発表した。パナソニックは一連のリストラが終了し、業績回復の道筋を付けることに成功した。 一方、ソニーは今後の方向性がまだはっきりせず、成長ストーリーを描けない状況にある。これに加えて足元のリストラも不十分であり、今期の業績は引き続き赤字の見込みとなっている。 パナソニックの2014年3月期の決算は、まずまずの内容であった。売上高は前年比6%増の7兆7365億円、当期利益は1204億円となり、3期ぶり [...]

OECDの最新経済見通し。消費増税の影響は軽微?

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 OECD(経済協力開発機構)は2014年5月6日、最新の世界経済見通しを発表した。日本における2014年の経済成長率はプラス1.2%と前回予測(2013年11月)から0.3ポイントの下方修正となった。ただ全世界的に経済成長見通しは下方修正されており、消費税の影響というよりも、世界経済全体の影響である可能性が高い。 2014年における世界全体の成長率見通しはプラス3.4%で、前回の3.6%から下方修正された。投資と貿易は増加の兆候が見ら [...]

日米株価に変調の兆し?カギはモメンタム株

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 日米株式市場の雲行きが怪しくなってた。日経平均は年初に1万6000円を超えていたが、断続的に下落し、現在は1万4000円台となっている。一方、ダウ平均株価は2年前から順調に上昇を続けてきたが、ここにきてその上昇ペースが鈍ってきている。 米国株の変調はダウよりもNASDAQでより顕著である。NASDAQ総合指数は、3月には4300ポイントを超えていたが、その後、急落し、一時は4000ポイント近くまで下がった。 この原因はネット株やバイオ [...]

異次元緩和から1年。その成果を検証する

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 日銀が量的緩和策を実施してからちょうど1年が経過した。量的緩和策は円安と株高をもたらしたが、本来の目的である実質金利の低下による貸出の増加にはまだつながっていない。 一方、消費者物価指数は上昇に転じており、デフレからの脱却には成功した。だがこれは円安による輸入物価上昇が主な原因であり、持続的な経済成長による自然な物価上昇とは言いにくい。市場では追加緩和の実施に注目が集まっているが、これが設備投資の増加や消費の拡大につながっていくのか見 [...]

新聞社の経営実態はどうなっている?

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 ネットに押され、新聞業界は苦戦が続いているといわれる。米国ではネットを中心に新しいニュース媒体が相次いで登場しており、新聞社の経営環境はめまぐるしく変化している。2013年10月にはアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が名門ワシントンポストを買収するという驚くべきニュースもあった。 一方、日本では新聞の発行部数減少が続いているものの、新聞社の経営に大きな変化は見られない。経営は決して良好とはいえないが、強固な読者層に支えられ、何とか収益を [...]

ウクライナ問題。市場静観の理由

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 ロシアのプーチン大統領は2014年3月18日、ウクライナの一部であったクリミアをロシアに編入する条約に調印した。米国やEUは部分的な制裁措置の発動を決定しているが、欧米各国はクリミアの返還まではロシアに求めない方針とみられる。ロシアがこれ以上ウクライナに介入しないかどうかが、今後の妥協点となりつつある。 一連の出来事では、軍事力を背景にしたロシアの動きが目立つが、もう少し視野を広げれば、ロシアは基本的に防戦一方の立場であることが分かる [...]